あなたの常識?
私は以前、鉄道会社で工事の管理を行う部署にいました。
ですから、年度末は大変忙しかった記憶があります。
徹夜で会社に泊まるなんてことも当たり前にありました。
よく、年度末になるとそこらじゅうで工事をやっている、予算を使わないといけないからだ、なんて話を聞きますよね。
これって公共事業の話でよく出てきますが、民間企業もあまり変わりません。
もちろん、年度末にたくさん工事をやっているわけではありませんが、多くの企業は3月締めの決算で
動いていますので、3月には工事の竣工を迎えます。
竣工間際に慌ただしく工事を行うこともありますが、工事を竣工させるということは様々な手続きをしなければなりません。
上場企業である以上、決められた仕組みの中で動かないといけないので、ある程度は仕方のないことだと思います。
でも、それを知らない人が「工事管理をしていると年度末は忙しい」と聞くと、きちんと計画して、その通り進めていないからそうなるんだ、などと思うこともあるようです。
内情がわかれば納得できるけれども、傍から見ていると疑問に思う。
そういうことってよくありませんか?
ここから得られる教訓は二つあります。
一つは疑問に思ったことは、よくよく調べるともっともな理由があるということです。
ですから、頭ごなしに否定したり、受け入れないのではなく、相手のおかれている環境や心情を慮(おもんばか)ることで見えてくるものがある。
そして、相手に寛容になれたり、他の視点で捉えることが出来たり、視野が広がったりする。
一方で、クライアントさんにこうしたらどうですか?というと、これってこうだからできないんですよね、とできない理由を言われることがあります。
もちろん、それが100%間違っているわけではないし、内情をわかっている側からするとそう言いたくなるのも無理はありません。
ですが、それってあなたの、あるいはその世界の常識になってしまっていることがあります。
つまり、無理でもなんでもないのにそれを変えることは無理、という常識にどっぷりつかって、そこから脱却することを思考がはねのけてしまうんです。
こうしたらどうですか?と言った側からするとできない言い訳を並べる人になってしまうんです。
これをする人は、自分自身が現状から抜け出せないだけでなく、提案した側からすると、この人に提案しても無駄だなという印象を与えてしまうので、サポートを受けづらくなっていきます。
何でもかんでも受け入れろ、ということではありませんが、無理だと感じたときには自分の常識にはまっていないか考えてみてくださいね。